フィンランドに移住して思うのですが、フィンランド人は物を大事にして長く使っています。節約という意識が当たり前となっているようなんです。ですが、ひたすら我慢するということではなく、それぞれが豊かに暮らしている印象です。
フィンランド人の方が、そのことについて書いている本を見つけて読んだのですが、確かにそうだなと思いましたので、共有させて頂こうと思います。
フィンランド人の節約術と、お金をかけずに豊かに暮らす秘訣は、日本での暮らしにも参考になると思いますので、是非最後までご覧ください。
フィンランド人の節約の意識とは
フィンランドでは、豊かな知恵と術があれば、豊かに暮らしながら節約できるという考え方が根付いているようです。
節約というと、美味しい食べ物を我慢しようとか、新しい流行りの物が欲しいけど我慢しようとか、日本人だと我慢することばかり考えてしまいがちではないでしょうか。
ですがフィンランドでは、お金を使わなくても豊かな暮らしはできるという考えの人が多いようです。実際に私の周りの人達も、贅沢品を買いたいとか高級なレストランに行きたいということを言う人はあまりいないですね。シンプルな生活で、豊かに暮らしているという印象です。
この点について、モニカ・ルーッコネンという方の「フィンランド人が教えるほんとうのシンプル」という本が参考になりましたので、その内容を紹介します。
モニカさんによれば、「たくさんのお金や物というのは豊かさには関係ない」と主張されています。もしも1億円が当たったとしても、それで人生が豊かになるわけではないと。
最低限の物とお金があれば、誰でも豊かに暮らすことが可能だそうです。逆に言えば、豊かに暮らしながら節約することは可能だということですね。
我慢しなければと思うから辛くなってしまう。そうではなくて、何を積極的に選択していくか、どうやって暮らせばお金が溜まる環境になるかと考えることが重要なんだそうです。
では次に、フィンランド人の節約術について解説していきます。
フィンランド人の節約術4選
フィンランド人が実践している、誰しも豊かに暮らせる知恵や術にはどんなものかあるのでしょうか?
モニカ・ルーッコネンさんは、フィンランド人の節約術は以下の4つが意識されていると書いています。
- 物を長く大切に使う
- 長期視点で合理的にお金を使う
- 自分軸でお金を使う
- 健康を意識する
それぞれについて説明していきます。
物を長く大切に使う
フィンランドの文化では、古いものほど価値があるという考え方があります。古いものには新しいものにはない魅力がある、と考えるんですね。
古いものには味があったり、いろんな人が使ってきた物語があったり、歴史があったり、そいったったことが物にしみ込んでいる。だからこそ、古いものは価値があるという考えです。
家具
家具は基本的に、親世代、祖父母世代から継承するという文化があります。
新しい新居を買ったとしても、継承した家具をそのまま置いたりして、物を長く使います。
実際に、私も旦那さんのご両親が使っていた家具をもらって使っているんですよ。
日本だと、家を買ったらそれに合わせて家具を新調したりするのがあたりまえになっていますので、日本とは違う点ですね。
こうやって家具を大切に使うのはいいと思います。
不動産
不動産では古いアパートなどの方が家賃が高かったりします。
日本では古くなるほど家賃は安くなっていきますので、これは考えられないことですよね。
古い建物の方が、味があったり、何かストーリーや物語があったり、独特なデザイン性があったりということで、古い不動産の方が家賃が高くなるというマインドがあるんです。
インテリア
インテリア、家具を選ぶ際にはメチャクチャこだわるらしいです。
何か月も何年も、時間をかけて選ぶのが当たり前となっています。
選び方として、同じデザイナーのシリーズで選ぶ、といったこともするらしいです。食器などでは、デザイナーは誰なのか、同じデザイナーが作ったもので揃えたい、といった選び方をするらしいです。
そのデザイナーはどんな哲学をもって作ったのか?見た目のデザインだけでなく、その思いまで組みとって食器を選んだりします。それにより、ものにストーリーが乗っかってより大事にしたいと考えるようになります。
壊れたら自分で修理もします。家具の色が剥げたら塗り直したりして、修繕して長く使うことがあたりまえになっています。そうすることで、さらに愛着がわくんですね。
中古品の購入
中古品の購入にも前向きです。基本的には中古品で物を買いそろえて、あまり新しいものは買わないようです。家具や服、車なんかも中古車をかうのが当たり前になっています。
車を新車で買うと税金が高いということもあるかもしれませんが、中古品の購入には前向きです。
なぜ中古品の購入に前向きなのかというと、みんなが得するからという考え方があるそうです。
買う人は安く買うことができますし、売り手は自分のいらない物を誰かに使ってもらうことができます。それで家の物を減らしたり、お金に変えたりできます。社会的にはゴミが増えなくていいといった環境への配慮もあります。
買い手、売り手、社会の3つがみんなウィンウィンの関係になります。
日本だと、他人が使ったものは嫌だと考える人もいますが、フィンランド人はそんなの関係なくどんどん使っていこうという考え、その方がみんないいよねという文化なんです。
長期視点で合理的にお金を使う
フィンランド人は安いという理由では物を買わないらしいです。
物を買うときは、それはほんとに必要なのか?すでにあるものでどうにかならないか?といったことを考えます。本来豊かに暮らすために必要なものはわずかでいいんです。
中古車やシンプルな服、普段着、仕事着、運動着、自分が体を動かす運動用の用具の自転車やスキー板など。それさえあれば私たちは豊かに暮らしていけます。そういった考えがあるから、そもそもあまりものを買わないんです。
そしてどうしても必要なものは、高くてもいいものを買います。安くて質が低いものはあまり好まれないそうです。安くて質が低いものは頻繁に壊れてしまいますよね。壊れたらまた買わなければいけないのでお金が出ていきます。そんなことをするくらいなら、少し高くても質がいいものを買って長く使えば、買い替えなくていい。結果、トータルで考えるとその方が節約になるんじゃないかということです。
ファッションでは、3つのポイントがあります。
- 自分にあったスタイルを選ぶ
- シンプルで素朴で自然
- 機能性が高い
この3つを基準に選ぶらしいです。
そうすると、トレンドに左右されないんですね。
これは長く使うための秘訣で、無駄な消費を防ぐことになります。
人気のカラーは黒。無難で、どんな場面でも基本的に使えるし着回しもききます。痩せて見える効果もあります。
自分軸でお金を使う
フィンランド人は他人軸ではお金を使わないです。他人軸とは、見栄をはってブランド品を買うとか、流行りに乗っかって流行を追いかけたり、他人の目を気にすること。そういったことはやらないらしいです。
フィンランドのことわざで「醜い人ほど綺麗な服を買って見せびらかす」というのがあるそうです。フィンランドでは、着飾っている人をみると「自分に自信がないのかな?」と思うそうなんです。「外側を着飾るより中身の方が大事でしょ」という考え方があるからということです。
自分軸で買うとは、「この買い物でほんとに自分は満足するのか?」と考えることです。
インテリアなどは自分の生活空間のことなので、自分が満足するためなので自分軸ですね。だからインテリアを大事にするのだそうです。
幸せのプランを作ることも重要です。
1、幸福度が上がる暮らしのプランを考える
自分が将来どんなところで暮らしたいか、誰と時間を過ごしたいかなど、自分の幸福度が一番上がる長期的なプランをしっかり持っておきます。
2,その暮らしに必要なお金を計算する
長期的に考えておくことで、自分がどこにお金を使えばいいのかをはっきりさせています。
自分がどこにお金を使うのか、どこには使わないのかを自分軸ではっきりさせておくことが重要だということです。
健康を意識する
フィンランド人は健康であることが人生の豊かさにつながるということを、あたり前のように認識しているそうです。
睡眠、食事、運動
健康のために、睡眠、食事、運動を重要視しています。
睡眠
- 夜更かしをしない。朝早く起きて日光を浴びて体内時計を整える。
食事
- 食事は基本的に家で自炊(外食が高いということもありますが)
- シンプルで自然で素朴な料理。森で摘んだベリーでジャムを作ったり、庭で育てたハーブでサラダを作ったりしています。
- coffeeが非常に好まれています。会社の同僚などと仲良くなりたいときは、コーヒーブレイクに一緒にお茶してコミュニケーションをとるようです。
運動
- 運動。運動するのはあたりまえ。運動していない人はいないくらい。
一番人気の交通手段は自転車。冬の気温ー20℃とかでも、防寒して自転車で通勤したりするらしいです。
雪のシーズンはクロスカントリースキーで会社に行ったりする人もいるらしいです。
健康を意識することで医療費の削減にもなりますね。
自然に触れる
健康のために、自然に触れる文化も重要視しています。
フィンランド人は休日には森に行くそうです。森に行って、友達や家族をおしゃべりしたりピクニックしたりするんです。ベリーを摘んだりスポーツしたり。それがあたりまえとなっています。
メリットは大きく、森に行くだけなのでお金がかからないし、自然に触れることでリラックスできます。ストレス解消となり、友達との時間をしっかり作れることで豊かさにつながっています。
これは、森が近い環境があるからこそできることかもしれないですね。
まとめ
フィンランド人は自然に節約を意識して生活しているということをお伝えしました。
節約術としては4つあり、物を大切に使う・長期視点で合理的にお金を使う・自分軸でお金を使う・健康を意識する、ということがあります。
社会の仕組みでリサイクルしやすい環境が整っているということもあると思います。ですが、自分軸で考えてトレンドに左右されないといったことは、日本でもすぐに取り入れられることではないでしょうか。
お金をかけずに豊かに暮らすという考えも、見習いたいものだと思います。
皆様の暮らしの参考になることもあるかと思いますので、ぜひ取り入れて頂ければと思います。
コメント