フィンランドは平等な国は嘘⁈人種差別の実態について考える!

フィンランドの特徴

フィンランドは平等の国と言いますが、ホントのところどうなのでしょうか?

私はフィンランドに3年住んでいますが、移民に対する差別はあると思っています。

移民が増えたことによる治安の悪化なども懸念されていますので、差別するなとは言えないですが、差別は良くないと思います。

ですが、自分の国に勝手にやって来て、という気持ちはわかります。

ただフィンランド人は「自分は差別していない」と思っているようなんです。「世界一幸せな国に来られて良かったね」という認識のようです。

そこで、フィンランドは平等な国というのはホントなのか?嘘なのか?人種差別の実態について考えてみます。

フィンランド人の差別の実態・差別意識とは

フィンランドの差別の実態はどうなのでしょうか?実はEUでワーストなんです。

2018年にEUが、12のEUの加盟国における少数派、主にアフリカ系の意見を調査しました。フィンランドに住む移民のうち14%が、過去5年間に人種差別を動機とした暴力を経験、63%が何かしらの人種差別的嫌がらせを経験、半数近くが警察による職務質問を受けたと答えています。

また黒人の子供を持つ親の45%が小学校で人種差別を経験したと報告しています。さらに、EUの平均よりもはるかに高い割合で、住宅や仕事を見つける際に差別に直面したと回答しています。

調査対象となった12のEU加盟国の中でワースト1位の項目も多々あり、フィンランドは平等の国という幻想はみごとに打ち砕かれました。

差別の内容は?

では実際どんな差別があるのでしょうか?

フィンランドは、人種差別的脅迫、暴力的攻撃でEUワースト1位でした。

具体例としては、見た目、肌の色、子供が学校でいじめられる、すれ違いざまに差別用語を叫ばれる、ということがあります。

見た目だけでなく、名前でも差別されます。フィンランドでは、名前のパターンが決まっているので名前を見ただけで「あ、外国人だ」ってすぐわかるんです。で、外国人がアパートに応募しても名前で落とされてしまいます。実際に私の友人がアパートを探した時、書類でバンバン落とされたのですが、「レストランを経営している日本人です」と一言添えるようにしたら、書類が通るようになったそうです。

収入がある日本人ならOKということでしょうか?

アパートだけではありません。仕事に応募しても、書類で落とされます。

例えばロシア系男性の話。同じ会社に本名で2回応募したのですが、面接に進むことはありませんでした。そこで、フィンランド風の名前で応募したところ、1週間以内に面接があって仕事を獲得できたそうです。やっぱり名前で判断していたということですね!

実はこれ、大規模な実験でも証明されてるんです。

2016年と2017年に社会学者がこんな実験を行いました。白人フィンランド人・イギリス人・ロシア人・イラク人・ソマリア人、それぞれの名前で偽の履歴書を作成。各1000通ずつ職安の求人に応募したんです。外国人の履歴書でも、幼いころからフィンランドに住んでいてフィンランドで教育を受けたという設定です。受けた訓練も経験の量もどれも同じです。語学力やスキルもほぼ同じで名前しか違いがない履歴書。つまり、名前から想像できる出身地しか違いがない履歴書だということです。

そしてこの実験の結果、面接まで進んだのは、白人フィンランド人が390人、イギリス人269人、ロシア人228人、イラク人134人、ソマリア人99人。

みごと名前での差別がある事実が浮き彫りになりました。

アジア人差別はある?

フィンランドで差別っていうとアフリカ系を対象にした調査が多いのですが、アジア系への差別も深刻です。

私は幸いにもこういう経験はないですが、知り合いのフィンランド人と結婚した日本人女性から聞いた話があります。お年寄りがパートナーに対して、嫁をどこで買ってきたんだとか、いくら払ったんだとか、そんなことを聞いたらしいです。

フィンランドのお金持ちは、冬の寒い間物価の安いタイなどで過ごすことが多くて、現地の女性と結婚する人もいるのですが、そうとはいえこのお年寄りの発言は完全に偏見で差別的ですよね。

アジア人差別といえばベリーピッカーの話も有名です。夏に、タイ、カンボジア、ミャンマーなどから人を連れてきて、森の中のブルーベリーを摘んでもらうのですが、実際は観光客扱いでフィンランドに入って、森の中で14時間労働。ずっとしゃがんでブルーベリーを摘んで、寝泊りはコンテナ。体調を崩せば給与も保証されない、という劣悪な環境で働かせるんです。

このため、搾取、人身売買としてずっと問題視されていて、ついに逮捕者まで出ました。

あとはフィンランド人がやりたがらない仕事、きつくて給料が低い介護の仕事、そういう仕事を任せるためにフィリピンやベトナムから集団で移民を受け入れている。という事実もあります。

フィンランド人はやらない仕事も、アジア人なら薄給でやるだろうっていう発想?失礼きわまりないよね!

フィンランド人の不満

フィンランド人が移民を差別する背景には不満もあると思います。

移民に対する不満とは

その1つは生活保護の受給。

2020年のデータでは、移民はフィンランドの人口の7%なのに、給付金全体の13%を受け取ったとされています。

失業保険、住宅手当、所得補助などの給付金は、フィンランド生まれの人は1人当たり900ユーロしか受給しないのに対し、移民は1人当たり約3300ユーロ受け取っているということです。

フィンランド人にしてみれば、高い税金を払って、それが移民に使われるとなれば不満にも思いますよね。

ですが、その背景にあるのは失業率。フィンランドにおける移民の失業率は、フィンランド生まれの人よりも大幅に高いという事実があります。

2014年のフィンランド人の失業率は13%、それに対して外国人の失業率は27%でした。外国人の中でも差があって、エストニア人やスウェーデン人などの失業率は、フィンランド人と同じくらいだったのですが、イラク、ソマリア、アフガニスタン人の失業率は35%以上高かったそうです。もちろんこの数字だけだと、働きたいのに働けないのか、働く意思がないのかはわかりません。難民だと偽ってフィンランドに来て生活保護で生活しているとか、全然働かないで生活保護受給しているのに、家族をどんどん呼んでいるとか、そんな不満はよく耳にします。

ですが、卵が先かニワトリが先かではないですが、移民は仕事しようと思っても名前で差別されて、仕事が見つからないんですよ!

それに移民入れるって決めたのフィンランド政府です!不満があるなら政府に言ってほしいですね。

フィンランド人の不満爆発

実際にフィンランド人の不満が爆発した出来事がありました。

先の選挙で極右政党が大躍進をとげたんです。その結果現在の政権は1930年代以降のフィンランドで最も右寄りと言われています。

また2024年夏、オウルで2件の刺殺事件が発生。被害者は外国人で、警察は動機を人種差別的としています。

私たちは世界一幸福!フィンランドは平等の国!差別なんてない!そう信じ込んで自分たちにかけてきた暗示が徐々に溶け始めているのではないでしょうか。

まとめ

私は差別するなとは言っていません。もちろん差別なんてない方がいい。ですが実際のところみんなに平等なんてなかなかできないです。自国に勝手に入り込まれてという気持ちもわかりますし、私自身差別的な思想が全くないとはいえないです。

まず、自分の差別意識に気づいてほしいです。フィンランド人は、自分たちが差別していることに気づいてないんです。2011年の世論調査ではフィンランド人回答者の66%が「フィンランドは人種差別的な国だ」と考えているのに対し、「自分自身が人種差主義者である」と認めたのはわずか14%でした。己と向き合って欲しいですね。

差別をなくす第一歩は自分が何をしているかを理解することなんですが、フィンランド人は自分を振り返るのがもの凄く苦手なようです。

フィンランド人と話していて、「こういう差別があるよね」っていう話をしても、それはあなたの意見でしょと言われてしまいます。事実を言っているのに。

だからフィンランドが真に平等な国になるのは無理だと思うんです。このままじわじわと他のヨーロッパ諸国と同じように差別が進んで、国内の分断が進んでいってしまうのでは。まだ間に合うので、どうにか頑張ってほしいです。

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